2005年06月23日

台湾に寄留する在郷軍人の勤務演習と簡閲点呼

「○在郷軍人心得  従来台湾に寄留せし在郷陸軍々人は本人の願に依り勤務演習の猶予及び簡閲点呼の免除許可せしとの事なるも、客年十一月陸軍服役条例改正の結果に依り、自今在郷の陸軍々人にして一箇年以上台湾に寄留する者は本人の願に依り同地に於て勤務演習に応じ得る事と定められたるに付、該当者は所管聯隊区司令官に願出で同官の許可を得て其の趣を台湾守備混成旅団長に届出づれば、即ち同地に於て勤務演習に応ずる事を得べきなり。尤も台湾には当分簡閲点呼は施行せざる事と定められたるに付、同地へ寄留の在郷陸軍下士以下は、自然の結果、寄留届のみにて免除となるべきに付、別段従来の如く免除出願を要せず。又た在郷軍人(将校を含む)願届書は総て本籍所管の郡町村長を経て聯隊区司令部へ差出すべき成規の処、従来往々本人より直接聯隊区司令部へ差出し来る者ありて聯隊区司令部の事務及び経費上其の不都合尠なからざる由なれば、将来充分の注意を要すべしとなり」
(防長新聞、明治33年1月24日2面3〜4段)


以下の記事と対比。結局、明治33年には、山口県の第42聯隊は、北清事変への出動があり、簡閲点呼は執行されなかった。

「○簡閲点呼に就ての注意  本年山口聯隊区管内簡閲点呼は来る八月一日より施行せらるゝ由なるが、寄留地に於て点呼に参会せんとするものは点呼施行期に切迫せざる以前、予め其の旨を願出づるを要するといふ」
(防長新聞、明治33年4月28日3面2段)

「○在郷下士以下の注意  山口聯隊区管内の簡閲点呼は既記の如く来る八月一日より執行の筈なるが、寄留地に於て点呼に参会せんとする者は来る七月二十五日までに同聯隊司令部に到着すべく出願せざれば一切許可せざる筈なる由」
(防長新聞、明治33年6月24日2面5段)


百科事典の説明。
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かんえつ-てんこ(簡閲点呼)
【兵】予備役・後備役下士卒(陸海軍共通)及帰休兵・第一補充兵(陸軍のみ)を召集してこれを点検実査すること。陸軍の簡閲点呼は其地所管の師団長これを掌り、海軍の簡閲点呼は其地所管の鎮守府司令長官これを掌り、各々これが時期を定め、簡閲点呼執行官(陸軍にては佐官又は尉官に就きてこれを任命し、海軍にては鎮守府兵事官又は海兵団分隊長に就きてこれを任命す)を任命して必要なる訓示を授け、以てこれを行はしむ。簡閲点呼執行官は、指定したる日時に指定の場所に召集せられ出頭したる者に対し、点呼名簿に依りて点呼し、所要の調査をなし、必要の訓示を与ふる職務のものとす。而して其場所・区域及日割等は、陸軍に於ては師団長の通達に依りて聯隊区司令官これを定め、海軍に於ては鎮守府司令長官の命令を受けて簡閲点呼執行官これを定む。点呼令状は、陸軍に於ては聯隊区司令官これを作り、海軍に於ては鎮守府司令長官これを作り、以て郡市長に送付し、郡長はこれを町村長に送付し、市長及町村長は規定の手続に依りてこれを招集せられたる各自に交付す。これが交付を受けたる者は指定の日時に指定の場所に出頭すべきものにして、傷痍・疾病其他事情に依りて出頭すること能はざる者(若くは本人に代りて令状を受取りたる者)は、点呼執行日時までに規定の手続を履みて簡閲点呼執行官に届出づるを要す。もし理由なくして出頭せず又は届出をなさざる者、又点呼の場所に於て簡閲点呼執行官の命に服せず又は其職務執行を妨害したる者は、科料又は拘留に処せらるゝものとす。詳細の手続に至りては、陸軍召集条例(三十二年勅令三九八号)及同施行細則(三十二年陸令二九号)、海軍召集条例(三十一年勅令二四七号)及同施行細則(三十二年海令一○号)を見よ。」
(日本百科大辞典第2巻、明治42年6月、三省堂書店発行)

 

rshibasaki at 14:01コメント(0)トラックバック(0)【鶏肋】(捨てておくには惜しい史料・発想)  

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