2005年07月23日

授業の展開を振り返る

既に14週の授業を終えた後で、その内容を当ブログに書いている。7月7日、第13週に配布したプリントにはつぎのように毎回の大まかな内容を記した。

第1回から第3回は「日露戦争と水難救済会」について初歩的な史料を確認した段階。
第3回から第6回は、授業開始以前に先行研究として関連が念頭にあったものを紹介するとともに、史料調査のなかから見つけた新たなデータや視角を紹介した時期。
第7回以降は、山口県の県紙『防長新聞』を精査するなかで、関連する場面や事項を一つ一つ拡大して行った時期。

即ち、以下の通り。
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第1回 (04/07) 〔導入〕「日露戦争」and「水難救済会」で検索した三つの読売新聞の記事。
第2回 (04/14) 〔予備調査〕インターネット、年表、『帝国水難救済会五十年史』「救難所配置図」「救難所発達史」。
第3回 (04/21) 〔予備調査〕五万分の一地形図「小倉」、『帝国水難救済会五十年史』日露戦争中の記述。
第4回 (04/28) 〔視角の設定〕地域社会の武力、秩序力、自立性の観点。現代から振り返る長谷川慶太郎、近世史研究から近代を見る塚本学『小さな歴史と大きな歴史』。
第5回 (05/12) 〔視角の設定〕Michael A. Bellesiles『ARMING AMERICA』。/鈴木淳『町火消たちの近代:東京の消防史』『関東大震災:消防・医療・ボランティアから検証する』。/金指正三『近世海難救助制度の歴史』。
第6回 (05/19) 〔視角の設定〕海難救助の近代化、西洋基準との出会い。/日本赤十字社との対比。オリーブ・チェックランド『天皇と赤十字』。
第7回 (05/26) 〔探索の拡大〕『防長新聞』の記事を読む。本部との関係、会員募集・義金募集に警察官が関わる、知事が委員総長。下関市で赤十字会員募集に市役所職員が関わる。肝付兼行「海国的国民の大覚悟」。
第8回 (06/02) 〔探索の拡大〕丸尾崎救難所。公共団体の会員募集に警察官は関わるべからず(原内相)。武徳会、愛国婦人会、在郷軍人会の紹介。
第9回 (06/09) 〔探索からまとめ〕記事「原内相大浦男の確執について 武徳会員募集の件」。水難救済会山口県支部発会式。
第10回(06/16) 〔探索からまとめ〕明治42、43年の記事、日露戦争が歴史に。社説「寄附勧誘と官庁」。「旧式銃器の払下」(地域社会の武器所持と在郷軍人会)。私設消防組から公設消防組への改組。
第11回(06/23) 〔探索からまとめ〕賞与(水難救済会救助夫)→賞金(一般漁民の救助活動)→処罰(海難物品分捕り)。海員掖済会、帝国海事協会。海難救助の二つの意味。
第12回(06/30) 〔視野を広く〕1904(明治35)年のいろいろな記事。「関門間海難減少策ニ関スル意見」。
第13回(07/07) 〔補足とまとめ〕主力戦艦の関門海峡通過。いままでのまとめ。
第14回(07/14) テストの予告
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上記プリントを配布した時には、まだ第14回はやっていない。実は、地域住民にとって「海事」とはどのようなイメージのもので、それゆえに、寄付金を払うなど参加に値する対象であったのかに気づかせてくれる史料を見つけて紹介することで最終回とした。

わたくしは最初
(1) 地域史を日露戦争という断面で切ってみるという関心から水難救済会に接近した
つぎに、
(2) 日本赤十字社や愛国婦人会などの愛国的Charity Organizationの一つとしての水難救済会の側面を見た
そして最後に、
(3) 水難救済会というテーマを通じて史料をたぐることで、海事という領域に導かれていたことに気づいた

この辺の事情を説明するつもりで、以下、授業の概要を記して行きたい。

rshibasaki at 20:21コメント(0)トラックバック(0)「海難救助ボランティアの日露戦争」工・歴史学2005  

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