2006年04月05日

歴史学機迷1週〕はじめに、講義予定の内容

★この発言から「新谷恭明の講義と演習」のなかの「歴史的想像力について」という昨年10月の発言へ、トラックバックを投げた。分野は違うが、本発言末尾(4)に類似した発言があったためである。
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明日から、前期14週の授業期間が始まる。本学のシステムだと最初の2週間は履修登録が確定しない。シラバスに特記事項があり、1週目から出席をカウントすると宣言している場合や、1週目の欠席は履修が不可能になるとの告知がある以外は、学生が選択のために同じ時間帯の複数の講義を比較するため、出入りすることを認めている。徐々にエンジンをかけてゆこう。

配布プリント。
1枚目表=2006年度前期・歴史学汽轡薀丱
1枚目裏=2006年度後期・歴史学競轡薀丱
2枚目表=唐津海上保安部ホームページの内、佐賀県水難救済会紹介のページ、および、海難救助のしくみの説明
2枚目裏=当ブログのリンク集ににある「War Birds」(第二次世界大戦以前の軍用機)ページ内のQ&Aにあるつぎの質問から始まる掲示板スレッドの記録。→「第二次世界大戦終戦以前、日本において現在の海上保安庁が行う業務はどこの官庁がおこなっていたのでしょうか?海軍でしょうか?

講義内容(予定)

(1) 評価方法と基準について。定期試験だけで評価する。

(2) 担当者の自己紹介。一応の経歴を話す。工学部の歴史学気販鮖乏忰兇、わたくしが興味をもっている二つの分野に対応。最近、その二つが内容的に結びつき始めている。以前工学部でやっていた通史的講義は、知的財産学部「現代日本への歩み」(後期学期、水曜4時限)で開講しているので、工学部の学生は他学部履修できる。

(3) 現在の海難救助体制、現在の日本水難救済会についての説明。

(4) 「過去から現在へ、そして未来へという時間のなかで国家・社会・生活の変化を相互に対比しつつ、一連の流れとして大掴みにする視点・視角・認識スタイルの第一歩を得ること」という講義の【到達目標】への導入として、つぎのような話しをする。
→明治の警察を、平成の警察から直感的に理解してはならない。秋田市千秋公園(秋田城址)にある秋田県警察官殉職慰霊碑に刻まれた明治時代の殉職警官の死亡事由で一番多いのは、コレラやペストなどの伝染病に感染しての死亡であったことに驚いたことがある。明治の警察=警察+消防+保健所、であることをついつい忘れがちになる。1938年、厚生省設置。1948年、消防庁設置。
→これと同様なことが、海軍や海事の理解についても存在する。
明治の海軍を、昭和戦前の海軍や戦後の海上自衛隊の占める位置を過去に遡らせて理解すると、思わぬ誤解となる。海上保安庁設置は、1948年。それ以前、海上保安庁の仕事は、海軍、および政府(逓信省管船局)からの補助金を得て運営された公益団体、帝国水難救済会によって担われていた。現在、海事領域=海上自衛隊(海軍)+海上保安庁(海上警察・救難・国境警備)+民間(海運業・漁業・海底資源開発)、となっている。これが明治時代には、海事=海軍+民間、である。その海軍には、現在は海上保安庁に属す「海洋情報部」(以前の「水路部」)も所属していた。明治の海軍は、軍事組織としての性格だけでなく、海洋というフロンティアに進出する民間をサポートする性格を強くもった「広義の海軍」として理解する必要がある。
その際、明治国家にとっての「海」(海軍・海事領域)は、現在の時代状況では「海」+「空」+「宇宙」の軍事的・商業的利用に相当する位置を占めていたと考えるべきであろう。不平等条約下における海難事故のもつ象徴的政治性は、こう考えて初めて現在のわれわれに理解可能となろう。また、海軍力整備になぜ多大な税金投入が可能となったのかの説明の一部も、純粋の軍事力の外側にまで領域を広げる広義の海軍としての性格から理解可能とも思える。

rshibasaki at 21:31コメント(0)トラックバック(2)「明治期山口県における水難救済会」工・歴史学2006 | <海事・海軍史> 

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