2007年06月14日

半面が欠落した、NHK「その時 歴史が動いた」の神戸事件

昨夜、6月13日(水)午後10時〜10時45分、NHK総合テレビジョン、
その時 歴史が動いた第292回
「ニッポン外交力誕生〜伊藤博文・神戸事件解決〜」


神戸事件の捉え方がひどく偏っていた。かつて、エントリー「徳富蘇峰著『近世日本国民史』には詳細な記述あり」で指摘したように、この事件には、つぎの二つの側面がある。

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(1) 西国街道沿いでの備前藩の隊列を横断しようとした欧米人を制止しようとして発生したトラブル
(2) 居留地予定地の測量をしていた各国公使一行に対して、小銃の水平射撃を加えた出来事
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滝善三郎が責任を問われ切腹したのは、(2) に対してである。独公使フォン・ブラントによれば、斉射は「六、七回」に及んだ。偶発ではなく意図的な行為である。ここの部分をおろそかにしては、神戸事件を扱ったことにはならない。

一方、日本側の神戸事件についての歴史叙述は、(1)の側面を強調することで、(2)を隠したり、相対化する努力の積み重ねであった。そうした通説の形成過程に、明治期における欧米人側の事件の説明の揺らぎが関連している可能性がある。

この辺は、同時代史が歴史になるプロセスを一般的なかたちで念頭に置き、この事例の通説形成を具体的に押さえて行く作業が必要となる。今後10年ほどのうちに、なんとかしたい。


rshibasaki at 14:33コメント(0)トラックバック(0)<神戸事件>  

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